演説「円安亡国」

原稿

円が安すぎる。
気がつけば1ドルが160円を超えている。
エネルギーや原材料を輸入に頼り、それをもとに製造・サービスで付加価値をつけ、国内外に提供するというこの国の形を考えた時、どう考えても円安の方がデメリットが圧倒的に多い。
国力の低下とみなされると同時に、勝手に資産が減っていくのが面白くない。
日米のマネタリーベースをもとに全通貨交換で理論値を考えてみると1ドル109円になるんだけど。

演説

諸君、聞け。

円が、死にかけている。
かつて世界に誇ったこの国の通貨が、今や見る影もなく地に落ちている。
これは単なる数字の問題ではない。
これは国力の問題だ。
誇りの問題だ。
未来の問題だ。

見よ。
気づけば1ドルが160円を超えている。
我々は何もしていないのに、勝手に資産が目減りしていく。
働いても、節約しても、貯めても、円建ての資産は静かに、しかし確実に、侵食されていく。
これを亡国と呼ばずして、何と呼ぶ。

エネルギーを輸入に頼り、原材料を輸入に頼り、それでもこの国は付加価値をつけ、世界と戦ってきた。
製造の現場で、サービスの最前線で、汗を流し、知恵を絞り、この国を支えてきた者たちがいる。
だが、円安はその努力を根底から覆す。
輸入コストは膨らみ、エネルギー価格は高騰し、国民の生活は圧迫され、この国の形そのものが歪んでいく。
これが、市場の答えか。
これが、政策の結果か。

諸君、理論値を知っているか。
日米のマネタリーベースをもとに算出すれば、1ドル109円が適正値だ。
我々はいま、50円以上も不当に貶められた通貨で生きている。
50円だ。
その差が意味するものを、諸君はわかっているか。
輸入品の価格、エネルギーコスト、海外旅行、留学、あらゆるものが、この50円の歪みによって割高になっている。
これは市場の失敗だ。
政策の失敗だ。
そして、意志の失敗だ。

円安は輸出企業に有利だという者がいる。
なるほど、一面の真実かもしれない。
だが、問いたい。
輸出企業だけが、この国ではないはずだ。
エネルギーを買い、食料を買い、原材料を買い、それで生きているこの国の大多数の者たちは、今何を感じているのか。
国力の低下を、じわじわと、しかし確実に、肌で感じているのではないか。

立ち上がれ、諸君。
円の復権なくして、この国の未来はない。
適正な通貨の価値なくして、真の経済再生はない。
我々は今こそ、声を上げなければならない。
この歪みを正すために。
この国の誇りを取り戻すために。

いずれにせよ、歴史は、決断した者の味方をする。
我々は今、その決断を迫られている。