久しぶりに、麺がくたくたの博多うどんを食べた。
確かに、これにしかない美味しさがある。
弱腰という言葉がある。
覇気がない。
凄みもない。
戦場では、真っ先に死ぬと言われる類の存在だ。
だが、俺は知っている。
最も長く生き残ったのが、そういう奴らだった事を。
柔らかいものは、折れない。
硬いものほど、砕ける。
それだけが、俺にはわからなかった。
硬い装甲が、砕ける。
鋭い牙が、折れる。
鍛え抜かれた鉄が、朽ちる。
戦場とは、そういう場所だ。
だが、柔らかいものは、残った。
腰がない。
芯がない。
凄みもない。
およそ、戦場には似つかわしくない。
それでも奴は、消えなかった。
なぜ残るのか。
なぜ消えないのか。
強さとは何か。
硬さとは何か。
鉄の論理が、血と泥の中で、音を立てて崩れていく。
英雄が死に、精鋭が散り、巨大な鉄の獣が沈黙する中で、奴だけが、立っていた。
これが真実だ。
戦場が叩きつける、残酷な真実だ。
最も強いものが生き残るのではない。
最後まで残ったものが、強いのだ。
大地よ、答えろ。
硝煙よ、答えろ。
次回「弱腰」。
折れない者だけが、明日を見た。


